かつての船着場前にある歴史的な三階建の建物の写真館跡
頼山陽銅像のある新港橋から北へ約150メートル進んだところに、「日の丸写真館」という大変目立つ木造の大きな建物があります。
道の駅から町並み保存地区に行く時に、川沿いの道を歩くと通る場所です。ここはちょうど、町並み保存地区のの入口にあたる場所なんですね。この写真の正面方向の路地へと進んでいきます。ご覧いただくと奥が石畳になっているのがわかると思いますが、そこからが町並み保存地区です。
手前にある橋は、住吉橋という名前です。この橋はかつての国道185号線で、ここで右方向へ曲がっていました。現在で言うと道の駅の前の交差点の役割、つまり陸路では最も交通の往来があった場所だったわけですね。周囲には、町並み保存地区の観光用の駐車場もあるようです。
かつての国道のルートを車で通って、この交差点を右折してみました。
さらに、道路を隔てた川には、昔の港の象徴である雁木と常備灯があります。ここは、かつて竹原で製塩された塩を船で運び出すための要所として、多くの商船が往来する場所でした。
こんなふうに、ここは竹原のなかでも陸と海の交通の要所で、まちの中心となる場所でだったんですね。写真館は竹原で一番目立つ場所にそびえ立ち、竹原を象徴するような建物だったということが分かります。
川の対岸には、酔景の小庭という公園があります。ここからは、雁木と常夜灯、そして写真館の左上に普明閣といった、竹原を象徴するスポットを一望することができるんですね。公園にはベンチもあるので、座って景色を楽しむこともできます。
日の丸写真館の建物は、見た雰囲気ですが少なくとも戦前よりも前に建てられた建物でしょう。すぐ裏手の向かい側には同じような感じの「梅谷呉服店」があります。この時代の木造の建物としては3階建は大変珍しいのですが、それが2軒、至近距離にそのまま残されているんですね。これは、歴史的にも重要です。
ところで、この日の丸写真館の建物って、このような歴史的な話とは全く別のことでも、有名な場所なんですね。そう、竹原といえばアニメ「たまゆら」。そして、たまゆらの物語の中で、主人公の行きつけの写真館という設定になっているのが、この日の丸写真館です。アニメの中ではレトロで素敵な写真館ということで描かれています。たまゆらのアニメファンにとっては、実物の写真館を見るためにやってくるということで、とても有名なんですね。
ちなみに、現在は写真館の営業は別の場所でされているとのことでした。
日の丸写真館
場所 竹原市本町1丁目3−6
アクセス 道の駅たけはらより徒歩2分