音戸渡船定期航路は残念ながら2021年10月をもって廃止になりました。
音戸渡船は、広島県呉市の警固屋地区と音戸地区の間の「音戸ノ瀬戸」と呼ばれる海峡の両岸を結ぶ、江戸時代から運航されている歴史的な定期船です。音戸渡船はわずか120メートルと、日本の定期航路では一番短い航行距離の船でもあります。正式な呼び名は「おんどとせん」。私が小さい頃は「わたしぶね」「おんどのわたし」などと言っていたように思います。
この音戸ノ瀬戸と言えば平清盛が陸を切り離して海路を切り開いたことでも有名な観光名所でもあります。その音戸ノ瀬戸は、広島に山陽鉄道ができる前までは、関西と広島を結ぶ大切な航路だったんですね。そして音戸港は広島や呉に近い港として利用され、さらに呉に軍港ができてからは、国のお偉いさんたちの宿泊場所にもなって、とても栄えていたんですね。そんな音戸地区と本土である呉を結ぶ大切な足として音戸渡船は、多くの人の足として運航されてきました。音戸大橋ができたころも、当初は音戸渡船を利用する人が多かったんですね。わたしも幼いころにこの船で音戸町に出かけたり、音戸のサイクリングに行くために利用しました。
現在でも音戸ノ瀬戸は、広島と四国や関西を結ぶ重要な航路で、大型の客船やタンカーなどが多く行き交います。潮の流れも非常に早く、船長さんにとっては「難所」ということでも知られている場所です。そんな大型船の間を通る音戸渡船は、音戸側の桟橋近くにある高校に通学する人や、音戸の方が呉に通勤する足として、また音戸の観光名物としても活躍しています。
動画は、音戸から警固屋に船で渡った時の様子を撮っています。途中、近くを大型船が通り、リアルに揺れる場面や、音戸大橋を下側から見た様子を撮っています。
音戸渡船
運行時間 5:30~21:00の間、
※時刻表はなく、乗船すれば随時出港です。船が対岸にいても桟橋に出れば迎えに来てくれます。
運賃 大人100円、小人50円、自転車150円、原付き200円
呉市警固屋8丁目7番、呉市音戸町引地1丁目
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