原爆資料館のところから平和公園の南側に出て、平和大通りを渡り、元安川に架かる東平和大橋の方向に歩くと、その歩道の右側に「広島市高等女学校原爆慰霊碑」があります。
Check.広島市高等女学校
現在の広島市立舟入高等学校
碑は、1948年年8月6日に母校で建立され、その後1957年に現在地に移設されました。
国が定めた法令、「学徒勤労令」などで、学生が建物疎開作業などに動員されて多くの生徒・職員が原爆の被害を受けました。広島市高等女学校では、広島市内で最も多い、679人の生徒・職員が亡くなりました。
この慰霊碑の特徴は、中央で女の子が抱えている、「Ｅ＝ＭＣ2」と書かれた箱です。これは、原爆の原理であるアインシュタインの相対性理論の原子力エネルギーの公式で「原爆」をあらわしています。この碑が建立された1948年、まだ日本は連合軍の占領下に置かれていました。米国の占領政策から、原爆に関する報道等は厳しく制限され、慰霊碑にさえ、「原爆」という文字を記載することは許されませんでした。この慰霊碑の建立に携わった方々は、何とかして、この碑が原爆犠牲者の慰霊碑であることを書き込もうと努力されたことが伺えます。